プロシネマリーグ(ネタバレ満載)

言いたい放題での映画批評!! ネタバレ・解説等内容を詳細に語るときがあるのでご注意!

カテゴリ: 監督

どうも!!僕です!!久々の更新でございます!!


今日はこちら!!



「無限の住人」です!現在公開中の時代劇アクションで、同タイトルの人気漫画の実写映画化作品。不老不死の体を持つ主人公が、逸刀流という不良剣客組織に父親を殺された凛という少女に用心棒を依頼され、逸刀流との激しい戦いに身を投じていく・・・というお話です。


監督は三池祟史。このブログでは「クローズZERO」シリーズを紹介しました。

主演はそう、皆さんご存知キムタク。以前「SPACE BATTLESHIP ヤマト」という屈指の駄作を紹介しました。今回の作品の知名度がそこそこあるのも、結局のところこの人の影響が大きいでしょうね。SMAP解散後初の映画主演で、俳優木村拓哉としての真価が問われる作品です。

その他出演は、杉咲花・福士蒼汰・市原隼人・戸田恵梨香・市川海老蔵などなどとても豪華です。製作陣にも「ラスト・エンペラー」のプロデューサーとして有名なジェレミー・トーマスが参加していたりと、なかなかの気概が伺えます。















話の展開としては、まぁ皆さんが想像するとおりで、お侍さんたちがギッタバッタとやり合う・・・っていうお話です。省略。











































★感想★
まず大前提として言っておきますが、漫画の実写化において「原作と比べてどうだ」という論評はしないようにします。これは今作だけじゃなくてね。ジョジョとかも見に行こうと思ってますけど、どんな有名作品の映画化だとしても、「映画単体としてどうか」っていう目線で僕は見てますのであしからず。

ってことで今回の作品がどうだったかというと、「不死身って何?」っていうのが一番ですね。僕のイメージとしては不死身っていうのは腕がちょん切られてもすぐブシュッって新しいのが生えてきて、痛みとかも全然感じない、まさにバケモノっていうものだったんですが、今作における不死身ってのは本当にあくまで「死なないだけ」って印象。切られたら普通に痛いし、血もバンバン出るし、フラフラもします。「え?キムタク死ぬんじゃね?」って思うほどです。とは言ったものの「まぁ死なねーんだろうな」とは思って見てましたけどね。

っていうか作品全体として、ストーリー展開に信憑性を持たせる裏付けが全く無いんですよね。万次が凛の為に逸刀流と戦う理由とかもマジ意味不明です。「死んだ妹に激似だから」的な雰囲気出しるけど、その死んだ妹も実は妹じゃなくて殺した相手の嫁さんで、精神崩壊してたからずっと一緒にいて面倒見てあげてる・・・という。「ベルセルク」でいうところのキャスカ状態になってるわけですよ。意味不明な行動を理由に更に意味不明な行動に出るという意味不明インフレが起きちゃってます。ここらへんは時間をかけて描けばそれなりに見てる側の心情に色々と訴えかけることもできたのかもしれませんけど、何にせよ描写が少ない。恐らくは、原作に則ったストーリー展開を無理矢理2時間半の中に詰め込んだからなんでしょう。まぁよくある話ですよ。

ここらへんが理由でおかしい所が色々あってですね、逸刀流の剣士たちのバックボーンとかも全く見えてこないんですよ。で、恐らくそこらへんは三池監督も気づいたんでしょうね。よりにもよってその登場人物の歴史を本人に説明口調で喋らせるというマジックをやってのけるんですよ。「俺は百姓の息子で・・・」とか言って。馬鹿かと思いましたよホント。キムタクが「お前のことなんか聞いてないです!」とツッコミを入れた瞬間はちょっと笑いそうでした。
ルックスもそうですし、武器とかも魅力的なのを持ってる人が多かったんですが、描写が少ないせいで全部すべってましたね。逸刀流当主の天津ですら、「すげぇ重そうな船の錨みたいなの持ってるけど馬鹿なのかな」って思えちゃいました。逸刀流という団体自体が、馬鹿と百姓の息子とロリコンがいる集団っていう風に見えちゃうんですよね。魅力的なグループというよりは、単なる変わり者の集まりです。

と同時に主人公万次ですらもちょっと魅力が弱かったです。作中通してのこの人の印象は、「本当はそこまで強くはないけど不死身になったおかげでちょっと強くなった人」なんですよね。
僕が期待してたのは、不死身になったのを良いことに防御のことなんか一切考えず、切られながらもバシバシ斬りまくる・・・!!という痛快お侍エンターテイメントだったんですが・・・。蓋を開けてみるともう痛がる痛がる。「う・・・・うぉ・・・」とかずっとうめき声上げてるし。「お前どうせ死なねーんだから心配すんなよ」と言ってあげたくなります。


詰め込み過ぎ問題で言うと、やはり個性豊かな逸刀流の敵たちがあまりにも扱いが雑でしたね。みんなポッと出てすぐ死ぬ感じ。個人的には市原隼人演じる尸良(しら)というキャラが一番雑だったなと感じました。呼んでないのに2回も出てきて暴れまわった割りに「結局何だったのか・・・」という残尿感しか残りませんでした。最後腕がカニみたいになってましたからね。「テラフォーマーズ」のロシアの人のコスプレって感じでした。


殺陣自体もかな~り退屈でした。相手の一太刀をガードする→腹or首を切るor刺すの繰り返しです。いかんせん最終決戦は敵の数が多いもんだからもう繰り返す繰り返す。最近「ワイルド・スピード アイスブレイク」を見たばっかりだったから余計につまんなく感じました。もっとジェイソン・ステイサムみたいにパルクールっぽい動きとか色々してよ!!!と思いましたけど、時代劇には無理な注文ですかね。







ささ。こっからはキムタク問題について触れていきますね。ご存知の方も多いかもしれませんが、この「無限の住人」なかなか興行収入がよろしくないみたいです。僕が行ったときも地元で一番大きな劇場に行ったのですが、その中で一番小さいスクリーンに追いやられ、その中でもお客さんはチラホラ・・・。3割くらいしか埋まってなかったです。
エンターテイメント業界の専門家から言わせると「キムタクの時代は終わった」とか「ジャニーズ事務所側がうんぬんかんぬん」とか色々言われているわけですし、ネット上でも「キムタクがほにゃらら」とか色々言われてますよね。
確かに今作でのキムタクの演技がどうだったかと聞かれれば、「んー・・・まぁ・・・キムタクだよね・・・」としか言えないです。新境地を切り開くものは感じられなかったし、彼特有の「軽さ」みたいなのも健在でした。このポップさみたいなのは彼の魅力ともいえる部分ですし、「まだそれやってるの?」と言われてもなかなか難しいもんですよね。
僕のスタンスとして、アンチキムタクなのか応援する側なのか。どっちなのかと聞かれても「どっちでもない」としか言いようが無いです。歌がうまいわけでもないのによく売れるなーとは思ってましたけど、別にSMAP好きでも嫌いでもないですし、解散も嬉しくも悲しくもないです。
そんな僕が今回の作品の責任的なものがどこにあるかと聞かれれば、僕は製作陣が悪いと思いますね。さすがに時間的スケールに無理があったと思います。ここはるろ剣みたいに2~3部作品じゃないと難しかったかな。でもそこまで有名でもない作品をそこまでするのもなかなか難しかろうし・・・とは思いますが、尺的に難しかったとしてもどうにか何かを削ってそれを補う何かを足さないと、もはや作品として成立してない域まで達するレベルですよ。
少なくともキムタクが「そういう部分を個人的なパワーでどうにか補える役者ではない」ということはわかりましたが、今作単体としての欠点の部分はもはや役者でどうこうできるレベルではなかったと思います。これをワイスピとかガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとか帝一の国とかクレヨンしんちゃんとかと同じ時期にぶつけて来るなんて正気の沙汰じゃないです。勝つ気ナッシング。






ギリッギリ見れる作品です!












不死身ってのは大変だなと思った僕でした!!




















お試しあれ!!







無限の住人   2017年  日本

ジャンル:アクション
  監督:三池祟史
  出演:キムタク   他

どうも!僕です!!



今日はこちら!!

サウルの息子





「サウルの息子」です!2015年のハンガリー映画で、ナチス政権によるホロコースト時代のアウシュヴィッツにて、わが子の死体を見つけた男サウルがユダヤ教流の葬儀で弔おうとする物語。
当時のアカデミー賞での外国語映画賞をはじめ、カンヌなど多くの映画賞で評価された作品です。



監督はネメシュ・ラースローという人で、長編映画デビュー作だそうです。
主演はルーリグ・ゲーザ。その他出演はユルス・レチン、モルナール・レヴェンテ等々ですが、まぁはっきり僕は言って知らないです。すいません。






















ってことで中身に入るんですが、今回は割愛します。何か活字で伝えるにはなかなかあれなんで・・・。





































★感想★
率直に言いまして、面白い面白くないと簡単に区別できない作品であると思います。それは製作者側の意図でもあると思いますが、「これを見てあなたはどう思いますか?」という一種の啓発系作品じゃないかなと思います。
まず見た人誰もが思うであろう独特な演出の1つが、とにかくカメラが近い!!もうず~~~~っとサウルの横1m弱くらいの所にカメラがあります。んで近すぎてサウルの向こう側のピントがずれちゃって、何が起こってるのかよくわからないんです、いやホントですよ。この技法自体は好みが分かれる気もしますし、フラストレーションになる人がいる気もします。
で、ただ大事なのは、「何かよくわかんないけどこれってアウシュヴィッツじゃね?これから虐殺があるんじゃね?」とは確実に思えるということ。んで、「見えてないけど断末魔は聞こえる」ってのが結構ミソと言いますか、ここで現場のサウルよろしく罪の無い人々が無惨に死んでいくのをただただ見送るしかできない・・・という何とも言えない虚しさがこちら側にも来るわけですよ。ちなみにサウルはゾンダーコマンドっていう特別扱いされた捕虜で、簡単に言うと同胞の虐殺を手伝わされてる捕虜です。そして時が来れば彼らゾンダーコマンドも他のユダヤ人同様殺されます。
このゾンダーコマンドという悲しき特殊部隊を描いた映画っていうのがまず少ないし、ドイツとしてはなかなか掘り返されたくない部分でしょうし、こういったアウシュヴィッツのさらに切り込んだ闇の部分を描くということが、この作品そのものを極めて意義深いものとしていることは言うまでもないでしょう。
ストーリーそのものを見ると、少なからずサウルにやきもきしてしまう人もいると思います。僕も少し感じました。っていうか僕がその場にいる同胞だとしたら、サウルのことブン殴ってると思います。「それどころじゃねぇ!!!」とね。
要するにこの作品の根幹をなす部分としては、
死者へ鎮魂の祈りを捧げる事も許されず埋葬してあげる事も許されない究極の非人道的不条理と、それでも必死に息子を弔おうとするサウルはある意味生者をも犠牲にしようとしてしまっている。究極の二対、生と死という究極のジレンマ。これこそが作品の奥底の部分と思います。
生きるって何だ。死ぬって何だ。答えの見えない問いを、少しだけでも考えるきっかけをくれるのがこの作品と思います。大半の人が生に執着する中で、サウルだけは息子が死してなおその肉体の扱いに究極の敬意を払おうとしていた。しかもアウシュヴィッツという文字通りの地獄で。というところが、僕は何かツーーンと来る部分がありましたねぇ・・・。
















久々に意義深い映画を見たことで、いつになく真面目な僕でした・・・。


























お試しあれ!!









サウルの息子    2015年  ハンガリー




ジャンル:ドラマ
  監督:ネメシュ・ラースロー
  出演:ルーリグ・ゲーザ
     ユルス・レチン
     モルナール・レヴェンテ

どうも!僕です!!

今日はこちら!!


フューリー



「フューリー」です!!2014年のアメリカ映画で、第二次大戦末期の米軍戦車「フューリー」の乗組員の死闘を描いた戦争映画です。



監督はデヴィッド・エアー。以前「スーサイド・スクワッド」というクソ映画を紹介しました。


主演はブラピ。最新作「マリアンヌ」に引き続きのご紹介です。
その他出演は「トランスフォーマー」のシャイア・ラブーフ、「アントマン」のマイケル・ペーニャ、「ハリー・ポッター」のジェイソン・アイザック、クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッド等々でございます。














ってことで中身。










下火になってきた第二次世界大戦。ドイツ軍が「総力戦」と称し、女子供をも兵士とする肉弾戦へと移行しようとする頃。
米軍の戦車・フューリー号に乗り組むのは以下の面々

  • ドン(ブラッド・ピット)・・・リーダー
  • バイブル・・・敬虔なクリスチャン。砲撃手。
  • ゴルド・・・ヒゲ面。操縦手。
  • クーンアス・・・ヘラヘラした頭おかしそうなヤツ。装填手。
そして戦死したもう一人の操縦手の補充役として、元はタイピストの非戦闘要員ノーマンが加入します。




メンバー







オリジナルメンバーの4人は家族同然に絆が深いのですが、当然新人のノーマンとは溝があります。




しかし、激しい戦闘を繰り返しノーマンが活躍することでその溝は埋まっていきます。








ドンの中隊は戦略上重要な十字路の確保を任されますが、道中で敵の砲撃に遭い中隊は壊滅寸前。フューリー1機だけが残る形となります。





どうにか十字路に辿り着きますが、フューリーは地雷を踏んでしまいます。と、そこに大量のドイツ兵達がやってくることがわかり大ピンチ。


ドイツ兵





しかし、彼らは任務の為に命を投げ出す覚悟で300人近くの敵と戦うことを決意します。


















激闘の末、ノーマン以外は全員死にます。フューリー乗組員のおかげでドイツ軍の作戦は失敗に終わるのでした・・・。




















おわり


















★感想★
ん~イマイチですね。
やっぱ一番は感情移入要素がうまく働いてないってとこにあると思います。
まず単純に、ドンのバックボーンがあんまし見えてこないから「何故そこまでして戦うのか」ってとこに疑問を感じてしまいます。意外と彼に関する描写ってのがあんまし多くないもんだから、彼の強さの裏付けも戦う理由もSSを忌み嫌う理由もよくわからないんですよね。そんな状態で「ドイツ兵を迎え撃つ」っていう宣言をされても「うん。何で?死ぬよ?」ってなるわけです。このシーンは他の乗組員が「何でだよ!!死ぬ気か!?」とか言って押し問答をして、何かしらの理由を見出してからじゃないとやっぱ見てる側に気合は入らないですよね。「オレの家だから」っていう文言だけではちょっと弱いです。妙に感傷的なムードを漂わせて「やるかぁ」みたいな空気出されても、「そこは雰囲気で解決ぅ!?」とツッコミを入れずにはいられないですよ。まぁ戦争ってそういうもんなのかもしれないけどさ。

戦車のバトルシーンはそれなりに面白いんですよ。あんまし戦車同士の戦いって見ないから新鮮でしたしね。形が似てるから何がどうなってるのか少しわかりづらかったりもするんですが、俯瞰視点のシーンはなかなか面白いです。これは素直に面白かった。戦車から顔を出して無線で指示をするのって実は結構カッコイイなと思いました。


ただねー。「え?」って思ったのがあって。これは僕軍事マニアでも何でもなく、むしろどっちかと言うと疎いほうなんで間違った認識かもしれません。その上で聞いてください。
最後のバトル。もう大量のドイツ兵が虫みたいにウジャウジャ出てきてもう本当に四面楚歌状態の戦いです。もちろんそんな状態になることは全員承知の戦いですよ。罠とかを仕掛けるくらい時間があったんですが・・・。途中で30口径の予備が必要になるんですが、「外にあるからちょっと取ってくる」って展開になります。何で?何で外にあるの?何で車内に置いておかなかったの?これはちょっと意味がよくわからなかったです。どう考えても砲台だけで敵を殲滅できるとは思えないし、そんなの絶対車内の備えておくべきと思うんです。車内の見た感じはね、どう見ても置くスペースが無いっていう事情は通じないようにしか見えないんですよね・・・。この点、もし明確な回答持ってる方いらっしゃったら是非教えてください。
っていうかラストバトルのシーンは夜になるタイミングもめっちゃ変でしたし、何か色々と腑に落ちないんですよね。一番の盛り上がり所なのに。ドンは何で銃を2,3発くらっただけじゃ死なないのかを教えていただきたいし、急にドイツ兵が静かになるのも理由がよくわからないし、最後の優秀な狙撃手は最初何してたんだっていうかそもそも誰なんだとか・・・。何かしっくり来ないんですよ!

あと作品全体の印象としては、戦闘シーンどうこうよりも、兵士のオフ場面の描写が結構多くて何か少し独特な雰囲気だなと思いました!ここは多分人によって好みが分かれるところなんでしょうけど、僕としては嫌いじゃなかったですね。何故か見入ってしまう不思議な空気感でした。




総評といたしまして、監督自身が書いてる脚本が悪いですね。ただ彼は、つじつまとかは別として、何かカッコイイ画とか雰囲気を描き出すのはうまいと思います。
この作品にしてもタイトル・エンディングや作中のBGMとか印象的な画とかっていうのは結構僕は好きでした。ただそこらへんの好感があるが為に脚本のモロさが余計にガッカリっていう悪影響もあるのかもしれませんが・・・。
この監督は海軍出身の超コワモテおじさんで、撮影も色々と大変らしいですけどね。大変な思いしてこの仕上がりっていうのがまぁ・・・ほら・・・あの・・・ね・・・。















まぁそんなこんなで意外と見たこと無い人多いジャンルとは思いますよ!戦車映画!ガルパンとかも流行ってるし見てみてはいかがでしょうか!



















お試しあれ!!















フューリー  2014年  アメリカ




ジャンル:戦争
  監督:デヴィッド・エアー
  出演:ブラッド・ピット
     シャイア・ラブーフ
     マイケル・ペーニャ
     ジェイソン・アイザック
     スコット・イーストウッド






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どうも!僕です!!


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「マリアンヌ」です!

現在公開中のアメリカ映画で、第二次大戦中に恋に落ちたカナダ人工作員とフランス人工作員の悲劇的恋愛を描いたラブストーリー。


監督は巨匠ロバート・ゼメキス。このブログで言うと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「キャスト・アウェイ」を紹介してます。
主演はブラット・ピット。最近「悪の法則」を紹介しましたね。
ヒロインを演じるのは「インセプション」「ダークナイト・ライジング」「サンドラの週末」等に出演しているフランス人女優マリオン・コティヤール。
その他出演は、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のマシュー・グッドなんかが出てます。













ってことで中身。ネタバレがいやな人はご注意を。






















第二次大戦真っ只中。カナダ人工作員マックス(ブラピ)は、ドイツが制圧していたフランス領モロッコはカサブランカに潜入。そこでフランス人工作員のマリアンヌ(マリオン・コティヤール)と偽夫婦を演じつつ、ドイツ大使を暗殺するというミッションに臨みます。





大使暗殺は無事成功。そして擬似夫婦体験から本当に愛し合ってしまった2人は、ロンドンに戻り本当の夫婦となります。







戦争は続くものの、子供も授かり幸せな生活を送っていたマックス。しかしある日上官から呼び出され衝撃の言葉を打ち付けられます。



「お前の嫁さん、多分ドイツのスパイだよ。情報筒抜けになっちゃうから殺してね。殺さなかったら嫁さんもろともお前も死刑だから。」








との事。








焦るマックス。そして彼は独自に捜査を開始し、マリアンヌが本当にスパイかどうかハッキリさせようとします。









ほんで結果は黒。しかし最愛の妻を自らの手で始末するなんて鬼畜なマネはできないマックス。子供と三人で高飛びをしようと企てます。
しかし出発直前で軍幹部に見つかります。

もはやこれまでと悟ったマリアンヌ。愛娘アナの事をマックスに託し自害します。





悲しみにくれるマックスでしたが、その後アナの事をしっかりと育て上げ、自身の夢だった牧場を手に入れアナと幸せに暮らしたのでした・・・。

















おわり

















★感想★
ん~まぁそこそこって感じですかね。見れる程度には仕上がってますが、娯楽作品の域は脱してないというか・・・。何かこう感動感涙し得る要素っていうのが抜け落ちてる気がします。
っていうかまず根本的に、時間的スケールが明らかに足りないもんだからそこまで悲劇的に見えないんですよね。妙にサクサク物事が進んでるように見えてしまって、完全に他人事にしか見えなくて、つまりは感情移入しづらいかな、と。「大体この女と知り合って何年かしか経ってないんでしょ?」と思ってしまって・・・。感情の高まりと時間は必ずしも比例はしないというのは百も承知です!しかしそれを踏まえてもちょっとしっくり来ないですね。
まずマックスとマリアンヌが恋に落ちる瞬間っていうのが結構唐突なんですよね。「え?もう?」って感じです。その直後の砂嵐に囲まれる車内での濡れ場っていうのがハイライトの一つなのは言うまでも無いんですが、それはストーリー展開というよりも単純に置かれた状況と映像美の産物と思います。
「SPACE BATLLESHIP ヤマト」のキスシーンが頭をよぎりましたが、さすがにあそこまでは酷くないですね。

妙にサクサク問題でいうと、これは作品全体で言えることなんですがドイツ軍が弱すぎる!!!とにかく弱い!マックス1人にボコボコにやられまくりです。異常なまでのマックスの強さに拭い去りがたい違和感がつきまといます。


っていうかアクション・謎解き・恋愛という三つの要素が絡み合う作品なんですが、ハッキリ言ってバランスが悪いですね。各要素が活きるのではなく、単純に良さを消し合ってます。言ってしまうと、どういう作品に仕上げたかったのかがよくわからないくらいに色んな要素と色んなシーンがぶつかり合ってます。その要素単体で見るとそれなりに楽しめるんですが・・・。いや、やはり恋愛要素が弱いですね。ここの描写が必要量に達していないが為に作品全体のバランスに違和感が発生してると思います。
構成でいうと、(時間は計ってないんですが多分)二人が恋に落ちるまでよりもその後の「マリアンヌがスパイかも」謎解きに時間が多く割かれているばっかりに、感動よりもサスペンス的要素が勝ってしまってると思うんですよね。でも最後は感動的に終わっちゃうんで結果として「はい?」ってなってしまう気がします。
ちょっと「怒り」っぽい雰囲気になっていくんですが、あれは人間模様と謎解きを同時にうまく描けてたからまだよかったのであって、今作は・・・。う~~ん・・・。



まとめますと
  • 恋に落ちるまでが早い。ぬるい。
  • 後半の謎解きがメイン。その間に感情移入要素が少なすぎる
  • そんなんで感動的に仕上げられても困る

こんな感じですかね。っていうかそもそもマックスとマリアンヌだって人殺しまくってるんだから、戦争映画並に絆とか戦う理由とかを描いてもらえないとやっぱラストで死なれてもなかなか泣けないですよね。
あと細かいこと言うと、やっぱ乳母は誰がどう見ても怪しいよ。
















ってな感じで書いていきましたが、決して見れないくらいに酷い作品とかってわけではないですよ!ゼメキスらしく、「あ、何かここうまいCG使ってんな」と思わせるところもありますし!

















まぁそんなには面白くはないけど!!!


























お試しあれ!!





















マリアンヌ   2017年  アメリカ


ジャンル:ラブストーリー
  監督:ロバート・ゼメキス
  出演:ブラット・ピット
     マリオン・コティヤール
     マシュー・グッド




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ビリギャル




「ビリギャル」です!2015年の日本映画で、ベストセラーノンフィクション「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」の実写化作品です。





監督は「いま、あいにゆきます」「涙そうそう」の土井裕泰。最近で言うと「逃げ恥」の演出もしてたみたいですね。

主演は「あまちゃん」の有村架純ちゃん。その他出演はチビノリダーこと伊藤惇史。意外とこのブログ初登場。後は目ぼしいところで言うと仲間由紀恵の旦那さんの田中哲司や、吉田羊、安田顕ってとこでしょうか。







ってことで中身。








虐められっ子の小学生さやか(山田望叶)は、私立の中学へ転校
    ↓
勉強しなくても大学までエスカレーターなので、さやかは色気付き始める
    ↓
全く勉強しなくなったビリギャルさやか(有村架純)が出来上がる
    
さやか




周りの大人は父親も含めてさやかを屑呼ばわり
    ↓
タバコで無期停学になったさやか、大学へエスカレーターできないかも説
    ↓
じゃあ塾へ行って別の大学へ行こう!
    ↓
塾講師坪田(伊藤惇史)と出会う
    ↓
坪田、さやかの馬鹿さ加減にやや戸惑うも無理矢理目標設定
    ↓
慶応大学を目指すことに














こんな感じで、さやかの受験生活がスタート。
周囲に支えられながら、さやかは高2の夏休みから猛勉強。





そしてついに慶応大学へ合格を果たしたのでした・・・。














おわり
















★感想★
号泣。号泣でした。凄く良い作品でしたよ。
何が良いのかっていうと、この作品には特別な事象ってのが一切無いと思うんですよ。単なる名古屋の下町の話で、平たく言うとスーパーマンが1人もいない。極めて卑近な世界の極めて卑近な人間達のお話なんですよ。
強いて言えば講師の坪田とお母さんのあーちゃん位が凄い人間かなって思うけど、見方によっちゃさやかの友達もすごいし、お父さんや弟、妹にだって凄さはある。そしてその凄さっていうのは実は我々一般人達も経験したことある、もしくはこれから経験しうる凄さなんです。凄さ・・・ってのはちょっと違いますね。「強さ」って感じかな。
そして登場人物全てに共通するその強さっていうのは、ずばり「滅私」ですね。これに尽きると思います。



母・・・一番菩薩に近い。いつでもさやかの味方。授業料の為に夜のパートもはじめる。
父・・・自身が叶えられなかったプロ野球選手と言う夢を長男龍太に託す。プレッシャーをかけすぎて龍太はパンクするが、その事を受け入れ今まで放置してきたさやかの為にプライドを捨てて尽力。
龍太・・・親父のプレッシャーを跳ね返せず野球の道を挫折し半グレとなるが、さやかのお陰で秒速で更生。親父には今までのお礼を言い、実家の車屋を継ぐ決意をする。
まゆみ・・・さやかの妹。蚊帳の外感が凄いけど、何一つ文句を言わない。
坪田・・・どうしようもない学力のさやかを見捨てず、常に寄り添いながらわかりやすくモチベーションをアップさせる。他の塾生にもそれぞれに合った接し方をする教育者の鑑。彼らの趣味の把握のためなら、睡眠時間も惜しまない。
さやかの友達・・・常にさやかと夜遊びをしていたが、さやかの勉強の邪魔にならないよう受験が終わるまではあ遊ばない宣言。もちろん絶交ではなく、ただ待っているだけ。陰ながら応援をする。




どうですかこの滅私軍団。凄いですよね。滅私。やろうと思えば誰でもできること。しかしそれが実は何より難しい!大人なら誰もが知っていることです。



そして一番の滅私がもちろんさやか。
皆多かれ少なかれ経験ありますよね。勉強というものの苦しさっていうのを。それを!あの!あのさやかが!しかも慶応!
たとえ担任に馬鹿にされようと!!
たとえ父親に馬鹿にされようと!!
たとえ弟に馬鹿にされようと!!

彼女は続けるわけです!嫌いな勉強を!!



この周りからの罵倒を、さやかは持ち前の軽さでいなしていくわけです。そしてドンドン学力はアップ。

しかし元々低い偏差値を上げるのは、恐らく超絶デブがダイエットをするのと一緒で最初は割とサクサク行く。しかしある時壁にぶつかります。伸び悩みですね。

サイドストーリー的に父親と龍太の親子野球劇場もあるわけなんですが、同時期にこの親子鷹も崩壊します。
こっちの話がまた良くてねぇ。もうめちゃくちゃ染みるんですよ。心に。
「親」というものの切なさと、「高校生」という大人とも子供とも言えない絶妙な年齢の切なさ。



親思う 心にまさる 親心





この句がぴったりですかね。しかし子供だってちゃんと考えてるんだぜぇ。そう言いたくなる様な一幕です。


メインストーリーとサブストーリーが同時期に壁にぶち当たりますが、方向は違えど共にハッピーエンドとなります。
僕はこう命名します。スクラップ&ビルド型ファミリームービーです。これっきゃない。家族の絆って強いんだなぁ。うんうん!って感じです。




作品全体として非常にリズムが良いんですよ。かと言って妙にサクサク行き過ぎてる違和感も無いし、けれでもうざったい心に残らないしょうもない語りシーンとか変な間とかほぼ無いです。強いて言えば、さやかが政策学部の合否を確認するシーンの間延びがやや気になったくらいです。「いや、受かってるんでしょ。知ってるからそこは。」となりました。
ただここはちょっと良くも悪くもで、受験って合格の瞬間の喜びを想像して頑張るわけじゃないですか。だからこっちはそこを早く見たいのに、あえて「焦らし」たとも思えますね。坪田と喜ぶシーンはめちゃくちゃ泣けましたし、何より「やるな」と思ったのは最愛の母、あーちゃんと喜ぶシーンを一切見せないんですよ。ここは確かに想像を膨らませたい部分でもあるし、見せない美学ってとこでしょうか。その分あーちゃんとクソ親父が抱き合うシーンがありまして、もうここは完全に堤防決壊です。






エンディングもすっごい良くてね。サンボマスターの「可能性」って曲をキャスト達が歌いながら終わります。ここまで抜かりが無かったからこそ、「良い映画だったなー!!!」と気分良く終われたんだと思います。




俳優陣もなかなか良かったです。有村架純ちゃんが意外にハマり役でしたね。清純そうな顔つきの子が色気づいてる事で余計に「本当は良い娘」感がなかなかあったと思います。いちいち「○○っしょ?」って喋るとことかも、何かそれらしく思えましたね。伊藤惇史も良かったですが、僕の中では田中哲司が一番良かったんです。この年の日本アカデミー賞では何も受賞してないみたいですが・・・。まぁ役どころがアレだしね。








ということで久々にべた褒めな作品でした。
「頑張るって大事!」と思える、勇気をもらえる作品でしたね!誰でも普通に楽しんで見れる作品と思いますよ!









お試しあれ!!












































ビリギャル  2015年  日本




ジャンル:ドラマ
  監督:土井裕泰
  出演:有村架純
     伊藤惇史
     吉田羊
     田中哲司
     安田顕



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どうも!僕です!!久々の更新です!!!




今日はこちら!!

悪の法則




「悪の法則」です!2013年公開のアメリカ映画で、裏社会の麻薬売買に携ろうとする弁護士と周辺の人間模様を描いたサスペンス作品。豪華キャストが話題となった作品で、「ノーカントリー」等で知られるコーマック・マッカーシーが脚本を書き下ろした作品です。



監督はこのブログでもお馴染みのリドリー・スコット。「ブラックホーク・ダウン」「ハンニバル」「グラディエーター」を以前扱いました。


主人公の「カウンセラー」を演じるのはマイケル・ファスベンダー。同じリドリー・スコット作品で言うと「プロメテウス」に出てましたね。
そのカウンセラーの婚約者を演じるのがスペイン人名女優ペネロペ・クルス。ほんで彼女の旦那さんハビエル・バルデムがカウンセラーと裏社会の繋ぎ役みたいな実業家として出演してます。彼は「ノーカントリー」にも出てますし、コーマック・マッカーシー作品の雰囲気に合うんでしょうね。んでそのバルデムの愛人役に「チャーリーズ・エンジェル」のキャメロン・ディアス。そして麻薬売買の仲買人として皆さんご存知ブラット・ピットのアニキが出ていると。


まぁ結構豪華ですよね。主演級が五人も出てるし。他にも「ヒトラー~最期の12日間~」でヒトラー役をしてたブルーノ・ガンツとかも出てるし、ホントに豪華です。


















ってことで中身。


お話としては割とシンプルです。簡単に言うと、小遣い稼ぎに麻薬の運び屋をしようとしたカウンセラー(マイケル・ファスベンダー)が、実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と仲買人ウェストリー(ブラット・ピット)と組みます。しかしひょんなことからブツが行方不明に。3人は持ち逃げしたと濡れ衣を着せられ、組織にぶっ殺される・・・。っていうお話です。ホントにこれだけ。













































★感想★
ん~まぁこれは端的に「人を選ぶ作品」ですね。嫌いな人は多分全く面白くないと感じるだろうし、好きな人にはたまらない作品と言えるでしょう。で、僕の感想はというと・・・。












すばり後者です。はい。














いや、これは凄く良い作品だと思うんです。
この作品は一般的なマフィア映画とは違って、目で見せる「怖さ」っていうのはあまり無いんですよ。それプラス「何だかよくわからず終いだったな」っていう要素も凄いいっぱいあるし、そこが引っかかって解消されない所がフラストレーションになる気持ちもわかるし、だから楽しめないっていうのもわかります。
ただこの作品の根幹にあるものからすれば、多分そういうことってのはあんまり重要じゃないんですよねきっと。それこそ作中の裏社会の人間達が殺人に深い意味・思慮を持っていないのと同じなんです。
この作品っていうのは「何かよくわからないけど怖い」みたいな不思議な感情を、とてつもなく嫌な手法で考えさせる映画だと僕は考えてます。
本来は所謂表社会の人間であるカウンセラーが、小金欲しさに裏社会に足を踏み入れる。彼はその行為の危うさを理解しているつもり。しかし実際は何もわかっていなかった。そしてわかった頃には時既に遅し・・・という。作中の台詞よろしく、世の中には様々な世界があって、その世界は交わることは無いと。
通常窮地に追い込まれた人間っていうのはどうにかしてその状況を打開しようとしますが、もうそういう次元じゃないんです。話してももちろん理解してもらえないし、っていうかそもそも話すら聞いてもらえない。もはや交渉や弁解の余地が無いっていうのは凄く怖いし、何が怖いってその自分を襲ってくるであろう奴らの姿が、カウンセラー本人からも見てる側の僕達からも全然見えないっていう、ここにこの作品の巧さがあって、同時にもの凄~~~く嫌な感覚が猛烈に襲ってくるわけですよ。それまでは散々あっちの「世界」の人間達の恐ろしさをこれでもかって程語っておいて、いざその時が近づいてくると全く「見せない」っていう、これは人間という種族の弱さを掻き立てる素晴らしい構成になってると思います。作中に出てくる「ボリート」という一度動き出したら絶対に止まらない殺人器具と同様に、彼らの「世界」も一度動き出したら止まらないんですねぇ。



登場人物たちが皆哲学的な事を言いまくるのがこの作品の特徴なんですが、はっきり言って全っっ部に意味があります。何回見ても「良い事言ってんな~」とか思ってしまいます。全然悪いこととかも言いまくってるんですけどね。全てが名台詞に聞こえてきますし、こういうのって結構スベりがちだと思うんですが、全然スベってない。スタイリッシュであり、セクシーです。


見てない人は意外に感じると思いますが、アクションとか凄惨シーンとかっていうのはかな~~~り、極限まで少なめにしてるって印象です。「あ、でもやっぱボリートは見たいっしょ?」っていう観客へのサービスでブラピが首チョンパされるくらいかな。あ、あとワイヤー首チョンパもありますけど。
醍醐味っていうのはやはり登場人物たちの会話劇。タランティーノ映画かってくらい会話シーンが多いです。まぁそんな中で退屈せずに楽しめる構図になってるのはコーマック・マッカーシーの脚本の良さもあるし、やはりリドリー・スコットの手腕っていうのもあると思います。何気ないシーンでもいちいち見せ方がうまいなって思いました。







と、まぁここまで褒めて来ましたが、「いやいやその点が私はむしろ嫌いだったんですけど」っていう人もいると思います。わかります。何ならかなりの人数いると思います。
要するにね、この作品「終わってみると何がなんだったのかよくわからない」的作品なんですよ。一番最後のシーンで「え!?終わり!?」って思った人も多かったと思いますね。ハマらない人には終始退屈な作品に見えるかもですね。だいたいストーリー解説はホントに僕の上記の説明で事足りるくらいですから、はっきり言って俯瞰的に見るとこの作品ってあんまし事が起きてないんですよね。ちょっとした事でパンピーがマフィアに殺されただけにしか見えないんです。
絶っっ対そこを意識して作ってると思いますけどね。それこそこの作品の主旨で、カウンセラーやライナー達と、そこに関係の無い人たちっていうのは我々観客も含めて完全に別の世界に分類されちゃってるわけです。だから退屈に見える。つまらない映画ってそうじゃないですか。「何か作中のテンションは上がってるけど別にもうどっちでもいいよ」みたいな。その感覚がまさにこの作品にも皮肉的に表れてるって考えはどうでしょう!?無理矢理過ぎますか!?でも僕はそう思うんです。「そりゃそうでしょ。世界が違うんだから。」とね。





とどのつまり、ストーリー展開で楽しむ映画ではないってことです。「真実」「悪」「愛」「悲しみ」そして「世界」。こういったことをとても哲学的に、そして「命」を何とも思ってない連中から考えさせられ、恐れおののく作品なんですねぇ。そりゃつまらない人も大勢いるわな!!って感じです。













「世界」と「世界」と跨るのは基本的にダメだし、小物は小物らしくマジメに働きなさい、背伸びしちゃダメよっていう教訓があるようにも見えますが、この作品はもっと深い深い深~~い所に訴えかける何かがある気がするんですよね~。











とにかく命を大事にしようと思う僕でした!





















真実に温度などない    マルキナ


























お試しあれ!!!
























悪の法則  2013年   アメリカ


ジャンル:サスペンス
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ファスベンダー
   ペネロペ・クルス
   ハビエル・バルデム
   キャメロン・ディアス
   ブラット・ピット






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最強のふたり



「最強のふたり」です!


2011年のフランス映画で、首から下が麻痺した大富豪とその介護人となったろくでなしの若者を描いたヒューマン・コメディ。フランス国内で大人気となり、日本でもかなりヒットした作品です。




監督はエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。日本ではそこまで知名度の高くない人たちですね。僕も知らなかったです。


主演は「殺意の夏」のフランソワ・クリュゼと元々はコメディアンのオマール・シー。同監督コンビの作品にはちょいちょい出てるみたいです。

















ってことで中身ですが、あらすじの通り大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護人に半分マフィアみたいなならず者のドリス(オマール・シー)なるわけです。





しかしドリスという男はとにかくデリカシーの無い男で、首から下が全く動かないフィリップに対して全然気を使いません。








寝ているフィリップの足にアツアツのティーポットを置いて本当に感覚が無いのかチェックしたりします。

ドリス





当然周りからはバッシングを受ける行いですが、この彼の言動をとにかく気に入ったのが当事者のフィリップ。今までの介護人とは一味違うドリスと日に日に距離を近縮めていきます。









退屈な人生に光を見出していたフィリップでしたが、ドリスの弟がギャングとトラブったのをきっかけにドリスは介護人の仕事を辞する事にします。







当然新たに介護人を雇うのですが、ドリスに比べると雲泥の差で全くウマが合わず。半ば自暴自棄になっていたフィリップでしたが、そこに再びドリスが戻ってきます。















そしてドリスの計らいで、文通相手のエレノアと食事をすることに。

食事






ドリスはフィリップの元を再び離れますが、彼のおかげでフィリップは大事なモノを手に入れることが恐らくできたのでしょう・・・。









おわり


















★感想★
いやー素晴らしい作品でした!
まず大前提としてお伝えしておきたいんですが、この作品を見てない人は恐らく感動的なヒューマンストーリーと思っている人多いと思いますが、そんな作品ではありません!コメディです!!
しかもユーモアセンスが抜群に良いと思います。実に面白い。で、この作品がそういう部類の作品なんだということを、アバンタイトルの時点で完っっ璧に教えてくれます。

っていうか、アバンタイトル、いわゆるオープニングがもうサイッコーですこの映画。
明らかに不穏な雰囲気の2人が、夜車を猛スピードで飛ばしているところを警察に止められます。するとドリスが、「ふざけんな!こっちは障害者を運んでるんじゃい!!」と言い放ち、フィリップは謎の発作(嘘)を起こし涎をブリブリ垂れ流します。「コイツが死んだらてめえらが遺族に説明しやがれ!!!」と言うドリスに対し、警察は通行を許可。その上先導まですると言います。で、「先導する」事に賭けていたドリスはニンマリしながらフィリップの涎を拭きます。「またバカしやがって・・・。」ってな雰囲気で笑うフィリップ。そして警察の先導付きで車は再発進。「音楽で祝おう」とドリスが言った瞬間、♪テッテ、テッテ♪とアース・ウィンド&ファイアの「セプテンバー」が流れ出します。そこからスタイリッシュな画面のデザイン・演出と共にスタッフ・キャストが出てくるアバンタイトル!「Do you remenber~♪」らへんでもう僕は鳥肌ズォオオオオオーーーーーでした。「あ、これ絶対良い映画だ!!」と思っちゃいましたね。サビの「バ~デヤ~♪」らへんではもうフィリップすらノリノリ。首しか動かないのに、その首がもうノリノリなんです。この素性の知れない2人の男が誰がどう見ても「絶対に仲良いなコイツら」って思ってしまうほどのイケイケ感で見ているこっちまでも楽しくなってしまう、というわけです。サイッコーですねここ。音楽から画面のデザインから役者からもう100万点です。


で、こんな感じのサイコーなシーンがもうひとつあって、それがフィリップの誕生日のシーン。フィリップは家にオーケストラを呼んで大好きなクラシックを楽しむんですが、ドリスは「今度はオレのお勧めを聞いてくれ」と再びアース・ウィンド&ファイアの「ブギー・ワンダーランド」を流して皆の前で踊りだします。
これがまた良くてねー。何が良いって、こんなの言ってみれば馬鹿げた事なのにそれを家のお手伝いさんや何ならオーケストラの人たちまでノリノリで見ちゃうってとこなんですね。最終的には皆で踊りだしちゃって。ホントに皆すごく楽しそうなんです。もう見てるこっちまでニヤけちゃうくらい。サイコーです。





まぁアース・ウィンド&ファイア関連はここらへんにしておいて。
結局この作品っていうのは、「障害者を差別しないって何なの」っていう問いに1つの引き出しをもたらす作品と言えると思うんですね。まぁこればっかりはなかなかデリケートは話題ですし、個人差もあるし正解も無い極めて難しい問題なんですが。
「障害者に優しくしよう!」っていう考えが果たして本当にその障害者の為なの?ってことで、それって障害者を完全に区別してるから「障害者に」って発想になる、とかまぁ堂々巡りなんですけど要するにそういうことだと僕は思うんです。
で、それをとてつもなく荒々しい方法で打開したのがドリスというデリカシーのかけらも無い男なんです。コイツは本当に見る人によってはサイテーな野郎でね。
前述の通りフィリップが本当に熱さを感じないか実験したりとか、フィリップの携帯が鳴ったら「うい」みたいな感じでよそ見しながら手渡したりするんですよ。いや、首から下は動かねぇんだよ、と。ドリスも「あ、そっか」みたいな感じ。

結構面白かったのはよそ見しながらフィリップに食事をさせるところですね。
よそ見

こんな感じで目にぐっちゃり行ってます。





まぁこんな調子のドリスに対して、フィリップは「自分を普通の人と同様に扱ってくれている」と感じるようになります。
一種のターニングポイントの様な部分があって、ドリスがチョコを食べているときにフィリップが「オレにもくれ」と言います。するとドリスは、「健常者用しか食べちゃダメ~~」とか笑いながら言っちゃうんですよ。かなり際どい発言ですよね。しかしこれをも許容しちゃうくらいフィリップは対等の関係を求めていたみたいで、二人はグングン距離を縮めていくワケです。
その後はもう車椅子を改造して時速12キロまで出るようにしちゃったり、ドリスはフィリップにマリファナ教えちゃったりでもうやりたい放題。フィリップの恋愛相談なんかもあったりして本当に友達みたいになっていくんです。
ここらへんが結構テンポがよくて非常に見やすいんですよね。この要因の1つとしては助演の皆さんの演技力と脚本の良さがあると思います。クドクドした障害者への対応の仕方のレクチャーとかが入ったり、ドリスを嫌う人間が現れたりとかで少し話しにブレーキがかかりがちな展開と思うんですが、そんな野暮ったいシーンは無いです。フィリップの過去とかはフィリップ自身が直接ドリスに語ることで、テンポの停滞を抑えると同時に二人の距離の接近を描けるってな感じかな。周囲の人間とドリスが会話するときは「その人」に関する事なので、ドリスがフィリップ家の一員になっているっていう事を描けるし、それはつまりフィリップがドリスを認めているってことの暗示でもあるし。なんかホント色々とバランスがうまいなと思いました。助演で言うとアンヌ・ル・ニという人が特に良い雰囲気出せてましたね。






ただまぁ内容的には正直ブラックジョークが多いのも事実ですし、ハマらない人もいるかもねって感じです。僕から言わせればそういうのイチイチ気にするならもうこういう作品は見るな、と言いたいですけど、それは人それぞれってことで。
多少の残念ポイントで言うと、テンポが良すぎて登場人物のバックボーンがイマイチわからないのは事実です。そこに起因して話しに入り込めないって人はまぁいるかなーと思います。
ただ僕的にはそんなの気にせず、異色なコンビの2人がドンドン仲良くなってバカやっていく様を微笑ましく見ようとすれば、かなり楽しめる作品と思いますけどね。








せっかくなんで、アース・ウィンド&ファイアの曲に乗ってお別れです!名前でピンと来なかった人は聞いてみてね!絶対知ってるから!!!






























お試しあれ!!!









最強のふたり    2011年  フランス


ジャンル:コメディ
 監督:エリック・トレダノ
    オリヴィエ・ナカシュ
 出演:フランソワ・クリュゼ
    オマール・シー






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「怒り」です!現在公開中の日本映画で、夫婦殺人事件の犯人が整形しつつ逃亡している最中に3ヶ所に現れた3人の素性の知れない男とその周辺の人物との人間模様を描いたサスペンスです。原作は吉田修一の同名小説。




監督は「悪人」「フラガール」の李相日。「悪人」に続いて2度目の吉田修一作品の映画化担当です。





主演・・・は誰なのかな。主要キャストという名目で紹介します。


渡辺謙
宮崎あおい
松山ケンイチ
妻夫木聡
綾野剛
森山未来
広瀬すず



ってな感じです。全員が主役級の活躍をしてますよ。

というか主役を張れる程の実力派ばかりで、それもそのはず。映画化にあたり、原作者の吉田修一が「オーシャンズ」みたいに豪華キャストでよろしく、とお願いしたらしいです。意外と図々しいですよね。

















ってことで中身。今作は通常の作品以上にネタバレすると面白みが半減する作品なので、くれぐれも気をつけてご覧ください!!



















サクッと説明しますと、あらすじ通り殺人事件の犯人が捕まらない状態のまま素性の知れない3人の男が現れます。




①勝浦市:漁港で働く槙(渡辺謙)と彼の娘で元風俗嬢のメンヘラ女愛子(宮崎あおい)の所に、素性の知れない従業員田代(松山ケンイチ)が現れる


②東京:ガチホモの優馬(妻夫木聡)がハッテン場にいると、素性の知れないガチホモの直人(綾野剛)が現れる


③沖縄:離島で暮らす泉(広瀬すず)と辰哉(佐久本宝)の前に、辺鄙な場所で暮らす素性の知れない男田中(森山未来)が現れる





さぁ、田代・直人・田中のどれが犯人でしょう!!!























という映画です。



設定の設置と共に、三者三様の人間模様が描かれます。
それぞれ周囲が「もしかして犯人かも・・・」と思い始め、そして彼らを信じるか信じないかのターニングポイントがやってくるのです。





































ちなみに犯人は田中です。彼が辰哉に殺されて、映画は終わります。




















おわり




















★感想★
面白かったです。作品通しての冷た~~い感じが良かったですね。
一番良かったのは正直音楽。僕この作品についてあんま下調べせずに見に行ったんですが、すぐにピンと来ました。やけに音楽がいいなと。そしてやけに「レヴェナント」っぽいなと。もうスーパービンゴでね。音楽が坂本龍一のアニキでしたよ。いやー凄かった。彼の挿入歌はなんかもの凄いパワー持ってますね。バイオリンとかギターとか打ち込みとかをピーヒャラピーヒャラやるだけが音楽じゃないし、空間を自由自在に操り間を空けつつブォオオンとシンセの音を要所に入れるだけでこうも物語に重厚感を与えれるんだという事をこれでもかと言うくらい証明してくれてます。僕の中ではハンス・ジマーとの二大巨頭って感じです。

音楽の話ばっかで悪いですけど、槙と愛子が田代が殺人犯だと疑うんですよね。で、愛子と田代が同棲していた部屋に警察を呼んで指紋を採取してもらって、その鑑定結果がようやくわかる・・・というかんなりドキドキするシーンがあるんですよ。
警察が結果を伝えるときに音声は別のシーンに飛び、槙・愛子・刑事の映像だけが進む。そして刑事が何て言ってるがわからない・・・。崩れ落ちる槙・・・。泣き喚く愛子・・・。そしてこのシーンになった瞬間に今まで静かだったBGMが急にドーーーーーーン!!!!!!です。もう見てる側も愛子同様「うああああああああああああああああ」となっちゃいまして、正直僕はもの凄く鳥肌立ちました。っていうか記事書いてる今も思い出して鳥肌立ってます。それだけ鑑賞最中は作品の世界に入り込んでたって事なんでしょうね。とは言えここはBGMの力が凄かった。ドーン!ですからね。2CELLOSのアルバムを買いたくなっちゃいましたぜ。




で、まぁ結局田代は完全にシロなのでこの演出はミスリードっちゃミスリードだったんですけどね。「え?違うの?」みたいな。ただここはやっぱ槙が崩れ落ちて愛子が号泣っていうのも超納得です。だって愛娘の愛する人が殺人犯かもしれないんですよ?愛した人が殺人犯かもしれないんですよ?その究極の疑念が晴らされたらそりゃ力抜けるし泣きますよね。テレビでドッキリがわかった瞬間に泣いちゃうタレントと一緒です。



というかそもそもあらすじの時点で容疑者がたった3人なもんだから、まぁミスリードの多いこと多いこと。良くも悪くもわかりやすく、そして時に納得いかないところもしばしばです。例えば、直人が前髪を切るシーンがあるんですが、ここは犯人の家の洗面所に切られた髪が放置されてあったところとのすり合わせですね。でも実際は直人は犯人じゃなかったんで、じゃあなんだったのよとか。まぁ結局直人は死ぬんで、死ぬ前の何か身の清めとかそういったところで落ち着くんですかね。



こういったところはほんの一部で、要するに僕の中では「面白かったけど諸手を挙げて高評価できるものでもない」って感じなんですよ。いや、いいんです。かなりいいんですよこの作品。作品全体の雰囲気とかすごい好きなんで、だからこそ余計に物語上の細部のつじつまをこれでもかってくらいブラッシュアップして欲しかったんです。

だいたい犯人田中の元同僚がなんでそこまで田中の性格とか動機とかっていうのを正確に把握してんだよとか、そもそもピエール瀧をはじめとする警察はただの無能でしかなかったとも思えるし・・・。なんかキャラ立ちの良さ、一人ひとりのキャラの魅力が強すぎてもはやストーリーが追いつけてないのかとも思えました。





くどくど言うとキリが無いです!しかし全体的にはホント良いですよ!日本という舞台で日本人が物語を推進して日本人の心を打つ、(まぁまぁ)素晴らしい作品と思います!









お試しあれ!!



怒り   2016年  日本

ジャンル:サスペンス
  監督:李相日
  出演:渡辺謙
     宮崎あおい
     妻夫木聡
     綾野剛
     森山未来
     広瀬すず

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パッション




「パッション」です!2004年のアメリカ映画で、ユダの裏切りから十字架にて処刑されその後復活を遂げるイエス・キリストを描いた作品。




監督はメル・ギブソン。このブログでは「アポカリプト」を紹介してます。

主人公イエス・キリストを演じるのは、「シン・レッドライン」のジェームズ・カヴィーゼル。その他出演は「007/スペクター」のモニカ・ベルッチなんかが出てます。


















ってことで早速中身を紹介したいんですが、いたってシンプル。




冒頭述べたように、聖書に書かれているユダの裏切り→イエスが十字架にかけられ処刑される→復活






というのが忠実に描かれます。










そして「あ、イエス復活したな」というところで終わります。



















★感想★
え~「そんな事を言うならお前は映画の批評はするな」というバッシングを覚悟で申し上げます。










よくわかんないです。

















ごめんなさい。







まぁ色々述べていきますが、敬虔なクリスチャンの方はここから先は見ないでください。気分を害する恐れがあります。申し訳ないけど。
そして見ていただく方にも前提として押さえておいていただきたい。決して僕はイエス・キリストを小ばかにする気は一切ないと。何かそう見える部分があるかもしれませんので。



まず前提として僕の宗派というか信心深さみたいなのをお伝えしますと・・・。
まずもってキリスト教徒ではないし、イスラムでもなければヒンドゥーでももちろんないし、エ○バとか天○教とか創○学会とか○L教団とか幸○の科学とか全く関わりありません。
強いて言えば「多分仏教なんじゃね?」くらいなもんで、お葬式とかでも慣習に習って両手を合わせてお祈りとかはするけど、普段から毎日欠かさず仏壇にお参りするわけじゃなく、でも何となく墓参りとかは大事な気がするし、先祖とかは大事にしたほうがいいよねっていう考えがうっすらある程度です。つまりは信仰心0じゃないけど100までは全然無い、みたいな感じです。
そのくせ自分が困ったときは「神様~」とか言っちゃうような、どこにでもいるペラいヤツです僕は。

早い話が、「神」とかっていうものをガチで述べられてもイマイチピンと来ないし、肯定はできないけど真っ向から否定もしない・・・ってとこですかね。


だから見る人が見れば物凄く信仰心の薄い罰当たりな人間に見えちゃってると思います。


まぁそんな感じでいわゆる「宗教」というものには割と無頓着な人間であります。

















前置きが長くなりましたが、そんな薄っぺらい人間が図々しくもこの「パッション」という作品について無謀にも述べようってんです。はい。








監督のメル・ギブソンって人はとにかく敬虔なクリスチャンで、10年以上にも渡る長い構想の末に私財をばらまいて製作したらしいです。とにかく作りたかった作品って事ですね。




ご想像に容易いと思いますが、本当にこの映画はイエスの最後の12時間を描いただけの作品なんです。本当にこれだけ。
なので後はそこの描写の仕方がどうなんだってことになるんですが、う~ん・・・なんか言葉にするのが難しいです。
作中半分以上の長い時間、イエスは鞭打ちとかで虐められるわけなんですが、まぁ確かにそのシーンは凄惨ではあります。で、その部分っていうのが信者の方には相当衝撃に映るんでしょうね。上映中にショック死をした人がいるってんだからマジ凄いですよね。僕なんてショックを受けるどころか「ムカデ人間のがグロいな」くらいにしか思えませんでしたから。
単純にそういう部分だけ切り取るとパンチとしては普通なんですよ。ただ、「イエスが」っていうところが勿論ミソで、全然信者ではない僕にしたって「何だかなぁ」っていうか、んーホントに何て言うのか。ただの架空の人物が虐められてるだけなら「痛そー」で片付けれるんですが、世界中誰でも知ってるであろう有り難い人物のイエス・キリストがそんな目に合っちゃってるっていうのは多少考えさせられるものがあるし、何か胸の奥底の自分でも触れれない部分にジャブを打たれている気分になりました。これは恐らく、僕の中に少しだけある信仰心を揺さぶる何かなんでしょう。





じゃあ信仰心0にして罰当たりな感想を言うと、「キリストは自分で自分が復活するって分かってるから別にいいかって思ってるんじゃね?」っていうものはありました。すいません。はい。
もうね、いちいち罰当たりとか何たらを言ってると「パッションサイコー!!!!」としか言えなくなるので勘弁してください。僕もデリケートな話をしてるってわかってるんで、あんま活字にしたくないです正直!

とにかくデリカシー無しにバンバン言っちゃうと、拷問シーンが長い!拷問っていうか、イエスが十字架を自分でゴルゴダの丘に運ぶんですが既にヘトヘトなんですよ。生きてるのが奇跡ってくらい。なのに周りの兵士ときたら「早く運べやぁ!」と鞭で追い討ちをかけるんですよ。これが長い。

倒れるイエス。鞭打つ兵士。辛辣な表情で見守る関係者。鞭打つ兵士。起き上がるイエス。鞭打つ兵士。痛がるイエス。鞭打つ兵士。倒れるイエス。鞭打つ兵士。辛辣な表情で見守る関係者。以下、繰り返し。

こんな感じでとにかく長い!!お前らが鞭打つから時間かかるんだろ馬鹿ヤロウ!と何度思ったことか。単純に映画としてだけ見ると「話の展開おっそ。」です。同じことの繰り返しを見てるだけではっきり言っちゃうと退屈ですね。もうわかったから、と。
ここのシーンの効果っていうのは、イエスを面白半分に虐め尽くす兵士達を物凄~~~く悪いヤツに見えるようにしてるところにあると思います。ここを代表的に、とにかくユダヤ人を悪く見せようとする意思を感じなくもありません。ということで当然バッシングが殺到したらしいですけどね。まぁこれはしょうがない。そう見えるもん。






作品全体通して言えるのは、「皆さん聖書に関してはもちろん読破済みですよね?」っていう前提で物語が進められるので、「え?コイツ誰なん」っていうのがあまりにも多すぎます。正直僕ユダとマリアくらいは知ってますけど他の人はよくわかんないんで、「何か聖書に出てくる人なのかな」という推測で見るしかなかったので、やはりピンと来ない。






とどのつまり、楽しむ映画というよりは一種の啓発的なジャンルというか、学術的な観点で多面的に考証するのがぴったりな作品な気がします。「第七の封印」とか「ジャンヌ・ダルク」とか似たような作品は前にも紹介しましたが、デリケート度は格段に上ですね。



そういった意味では、キリスト教信者の方からすると僕が前述した退屈と言える部分も物凄く胸打つ何かを感じれるかもしれませんよ。もしくは信者じゃなくても聖書の内容には興味がある人とか!

残念ながら僕はどっちにも該当しませんでしたので、むう・・・でした。

















宗教の違いが様々な争いを生んでしまう悲しい昨今、見てみるのもいいかもですよ!!












お試しあれ!!











パッション  2004年  アメリカ



ジャンル:ドラマ
  監督:メル・ギブソン
  出演:ジム・カヴィーゼル
     モニカ・ベルッチ



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ソウ2





「ソウ2」です!

2005年のホラー作品。もとい。ソリッド・シチュエーション・スリラー作品。
以前紹介した「ソウ」の続編です。よくわからない人は過去のページを見てくださいね。





前作監督のジェームズ・ワンは原案者のリー・ワネルらと共に製作指揮に回り、今作からはダーレン・リン・バウズマンという人が監督となってます。



恐怖の悪役ジグソウは前作から引き続きトビン・ベル。

そして今回の主人公マシューズ刑事を演じるのは、ドニー・ウォールバーグ。「ローン・サバイバー」「ディパーテッド」のマーク・ウォールバーグの実兄です。よく見ると結構顔とか似てます。

あとはアマンダ役のショウニー・スミスも継続キャストです。
















ということで中身。














ある日とある建物でジグソウの仕業と見られる遺体を発見した警察。
マシューズ刑事(ドニー・ウォールバーグ)を初めとする警察は、現場の手がかりからあっさりとジグソウの居場所を突き止めます。

しかし末期癌のジグソウは失うものが無いのか、余裕綽々。

余裕




そしてマシューズはとんでもないものを見つけてしまいます。




パソコンの画面に映っているのは、男女8人が幽閉されている部屋。そしてそこには自身の息子ダニエル(エリック・ナドセン)もいたのです。



元々気性が荒いマシューズはロンモチのブチ切れ。
しかしジグソウは「自分の話を聞くことがルール。話を聞いていれば息子は戻ってくる」的な事を言います。



ということでマシューズは渋々ジグソウの話し相手になることに。








一方例の幽閉8人組。





自分たちの置かれた状況が理解できず全員パニックです。しかも建物内は有毒の神経ガスが噴出されており、約2時間で死んじゃうってお話なもんで、皆さんめちゃくちゃ焦ります。








んで結局いろいろ建物内を探っていくんですが、個人個人にゲームが用意されていてそのゲームをクリアすれば解毒剤がゲットできるという仕組みみたいです。


















熱々の焼却炉から脱出ゲーム!

焼却炉







注射器の山から解毒剤捜索ゲーム!

注射器







痛みに耐えてガラス箱から解毒剤ゲッチュゲーム!

ガラス箱












というユニークかつアッパーなゲームが繰り広げられますが、当然全くうまくいきません。


そもそもこの8人全員が協力してっていう構図を彼らがうまく作れず、互いに足を引っ張り合う展開なんです。っていうかザビエル(フランキー・G)とかいう室伏広治の悪いバージョンみたいな男が完全に原因なんですけどね。








というわけで、バンバン人が死んでいきます。


その様子をモニターで確認していたマシューズはもうダニエルのことが心配で心配で。我慢の限界が来たマシューズはジグソウをボッコボコにして、「いいから現場に連れてけや」と完全なパワープレイに出ます。


ピクピクしながら納得したジグソウ。2人は大至急現場へ。




ジグソウ
末期癌な上にボコボコにされながらも道案内をする意外とタフなジグソウさん。







さぁここから一気に展開が早くなります。マシューズチーム、幽閉チーム、警察SWATチームの三つ巴の攻防です。




●幽閉チーム

ザビエルが追ってくる
   ↓
アマンダとダニエル、地下へ逃げる
   ↓
地下を進むと、なんと「ソウ1」の舞台のバスルームへ到着
   ↓
追い詰めたつもりのザビエル
   ↓
ダニエル、ここに来て死んだフリモードに突入



●マシューズチーム

ジグソウの案内どおり現場に到着
   ↓
マシューズ、単身建物に潜入



●幽閉チーム

死んだフリからの不意討ちでダニエルがザビエルの首を切り裂く



●SWATチーム

映像が送られてる地点を特定、現場へ急行
   ↓
しかし自分たちが見ていた映像は録画だとわかる


●マシューズチーム

そんなことは知る由も無いバカ刑事、バスルームへ到着
   ↓
ザビエルとかアダムの死体はあるが、ダニエル関係のものは無し
   ↓
「ん~?」となってるところ、かぶりものをした謎の人物の襲撃に遭い気絶



~その頃、タイムリミットの2時間が経過~
●SWATチーム
ジグソウのアジトの金庫みたいなのが突然開く
   ↓
中にはなんと疲弊したダニエルが!



●マシューズチーム
目を覚ましたマシューズは、「ソウ1」の主人公2人よろしく鎖で繋がれている
   ↓
アマンダ登場。彼女が黒幕だったとわかる
   ↓
マシューズ「くそアマァ~」
   


















アマンダ「ゲームオーバー」

















おわり














★感想★
良いのか悪いのかは個人差があるとして、「1」に比べると異様なまでにストーリーが単純化されていると思いました。謎解き要素ってのはまぁ確かにあるんですが、基本ジグソウは意味深なことしか言わない上に妙に余裕綽々で、「絶対裏あるじゃん」とは思えるわけです。
なので、終盤ジグソウがマシューズの要望を暴力によってあっさり受け入れて現場まで道案内する時は「あーこれダメなヤツだ」と容易に想像できちゃうんですねぇ。「裏切り」っていうものがあまりに弱かったんでちょっと残念でした。とは言え、話を聞いてるだけでいいって言ったのにマシューズが勝手に興奮して道案内させた。マシューズが悪いっていうバッドエンドストーリーは嫌いではないですけどね。まぁただ少し読めちゃうというか、もう少し予想のナナメ上を行く展開が欲しかったかな。「1」にはそれがあったので。
ただ「1」でさえ納得行かない部分が多々あったので、これ以上そういう部分を増やされても困るからまぁいいかなと。

で、今回の「2」はとにかくわかりやす~~い浅~~いペラ~い感じでグロ描写を楽しむ作品です。「1」を紹介したときにも触れましたが、どう考えても準備が個人では限界のあるレベルの仕掛けが出てきて、つまりは「これをどう準備したの?」ってことよりも「うひょ~っ怖え~」と頭からっぽで楽しむ作品に成り下がってます。んでそのゲームがかなりの無理ゲーっていうね。

ただはっきり言ってこの程度のグロ描写じゃもはや何とも思わないです。昨今のグロ映画はこんなもんじゃないですから。特に僕はこの直前にイーライ・ロスの「グリーン・インフェルノ」見てますからもう免疫バッチリ。軽い軽い。ちなみに「グリーン・インフェルノ」は紹介しませんが、人間が生きたまま人間に食べられちゃう作品です。


総括すると、「1」よりもターゲットを少し広げた結果良い部分を犠牲にした印象ですね。画面全体に溢れるエッジもストーリーの細かいディティールも損なわれてる気がします。
んで結果安っぽいモノしか残らなかったのにシリアスさだけが据え置きで、何かちょっとイタい感じすらする作品になっちゃってますね・・・。













まぁとは言え!!











今作よりつまらない映画なんてこの世にいくらでも存在するし、「ソウ2って面白い?」と聞かれたら「まぁ見てみれば?」とは言える作品ではあると思います。
あくまで僕のちょいとした酷評は、「1」に比べるとっていうところも多いです。決して見れない映画じゃないです。




ただ難しいのはね、「細部を気にせずに見ましょう」とはなかなか言えないのが「ソウ」シリーズなんですよ。
あと5作あるし、今後話が進むにつれて過去のこと掘り返しが多くなっていきますんであんまり何も考えてないと「何のこと言ってるの?」状態になっちゃうんですよ。あくまで最後の数分のどんでん返しが売りの作品ですからね。








結論、やるならちゃんとやって!









です!














いつか「3」を紹介します!!







お試しあれ!!














ソウ2  2005年  アメリカ


ジャンル:ホラー
  監督:ダーレン・リン・バウズマン
  出演:トビン・ベル
     ドニー・ウォールバーグ





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