プロシネマリーグ(ネタバレ満載)

言いたい放題での映画批評!! ネタバレ・解説等内容を詳細に語るときがあるのでご注意!

2016年05月

バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

どうも!僕です!!


今日はこちら!!

バードマン


「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」です!2014年のアメリカ映画で、かつてスーパーヒーロー「バードマン」を演じた脚光を浴びた俳優の主人公が、ブロードウェイの演劇で再起を目指すというという作品。


監督は「レヴェナント」のアレハンドロ・G・イニャリトゥ。この作品で、アカデミー作品賞・監督賞を受賞しています。
そしてレヴェナント同様、撮影監督はエマニュエル・ルベツキ。彼もまたこの作品で撮影賞を2年連続の受賞。まぁそれも納得ってなもんで、この作品の一番の注目ポイントは「全編1カット」という脅威の撮影をやってのけたこと(もちろん編集でそう見えるだけですけど)。


主演はマイケル・キートン。ティム・バートン版の「バットマン」で主演をしたことで有名。どこか作中の主人公とダブる部分がありますね。
その他出演は、「ファイトクラブ」「アメリカン・ヒストリー・X」「インクレディブル・ハルク」のエドワード・ノートンや、「アメイジング・スパイダーマン」のエマ・ストーン、「キング・コング」のナオミ・ワッツなどなど。皮肉なことにスーパーヒーロー映画を少し蔑んでる作品に、スーパーヒーローものが代表作の俳優女優が並んでます。あと、「オブリビオン」のアンドレア・ライズボロなんかも出てます。






















では中身。かつて「バードマン」というスーパーヒーローを演じて時の人となった俳優リーガン(マイケル・キートン)。しかし現在ではなかなかうだつの上がらない俳優となってしまっています。そんな中、一発逆転を狙って自身がプロデュース・主演を務める演劇をブロードウェイで行います。




プレビュー公演直前、とある俳優が怪我をし、その代役としてブロードウェイで活躍する人気俳優マイク(エドワード・ノートン)を起用することに。しかしコイツがなかなかの問題児で、実力はあるもののワガママな好色野郎。プレビュー公演中もリーガンのセリフを奪ったり急にブチ切れたりと、なかなか荒らしてくれます。


リーガン自身と言えば、心の中の自分の分身ともいえる「バードマン」に頭の中で話しかけられ、本当に今の自分のままでいいのか、という疑念に苛まれています。





その後リーガンは、演劇の俳優人、ヤク中の愛娘サム(エマ・ストーン)、辛口で自分のことをバカにする批評家などなど、多くの壁にぶち当たります。

しかし、自分はもう一度羽ばたけると確信したリーガン。
既にトランス状態だった彼は、劇の最後に銃で自分の頭を打ち抜くシーンで本当の銃と実弾を仕込み、自分の鼻を横から撃ち抜いてしまいます。



打ち抜く





この過激な演出が話題をさらって作品は大盛況。リーガン自身の評価も約20年ぶりにうなぎのぼりとなります。




見舞いに来た愛娘サム。


しかしベッドの上にリーガンはおらす。



そしておもむろに窓の外を眺めたサム。彼女はただただ笑うしかなかったのでした・・・。





















おわり













★感想★
面白いですね!結構ガッツリ笑えるコメディです!登場人物全員が真剣に生きているがために笑えるギャグが多く詰め込まれていて本当に面白いです。
んで、ギャグセンスもさることながら、作品全体的に斬新ですね。まず全編1カット(実際には後半切れるので2カット)っていうのが効果的で、お話としては4,5日のお話なんですがそれを臨場感あふれるように見せれています。1カットに仕上げるが為に、場面の転換っていうのがイチイチオシャレだし、でもわざとらしくない絶妙なバランスで仕上げられていますよ。
でね、エドワード・ノートン演じるマイクって男は凄く自分に自信があるタイプの男で、すぐ素っ裸になるような男なんですよ。で、コイツが全裸で衣装合わせをするシーンっていうのが面白くて。本当にすっぽんぽんなんですけど、それをうまいこと椅子とかの場所をを計算していて綺麗に隠れるように配置されているんですよ。絶妙に「くぉ~~見えね~~」っていうね。見えそうで見えないっていう人間が間違いなく興奮するチラリズムと、それに1カットの臨場感があればもうそれだけで面白いですよ。
っていうか作品全体に鏡がうまいこと使われていてね。これが実は1種のメタファーになってるんじゃないかなって思ってます。作中の登場人物において自分の中での「自分」というものが非常に大きな意味を成してるんですよ。マイクは自分に大いなる自信を持ってる。レズリーは、今回の演劇をきっかけにずっと売れない女優だった自分と決別しようとしている。ではリーガンは・・・?というね。ほいで、リーガンが自分に向き合う時っていうのはつまり「バードマン」と向き合う時なわけで、彼はこの「バードマン」についてどう思っているのか。「バードマン」っていうのはリーガン自信なわけですが。
まぁ考え出したらキリが無いわけで、実はこの作品考察すべき部分がめちゃくちゃ多いんです。特にラストシーン。果たしてリーガンは本当に飛んだのか。そもそも作中リーガンが度々見せていた超能力は本当だったのか。様々な憶測が飛び交うわけです。
僕的には、最終的に彼は本当に飛んだ。そう信じたいですね。決して考えるのがめんどくさいわけじゃないですよ。
この作品を見て僕が思ったのは、「たとえどんなに年をとっても、どんなに状況が悪くたって人間に限界は無いんだ」ってことですよ。それをオカルトに表現してくれたのがこの作品です。晩年の男がまだまだ夢を諦めきれずに無謀な挑戦をするっていうことと、その無謀さゆえに男が奇跡を起こすということで全然OKです。実際は彼は飛んでないっていう推理の方がそりゃ理にかなってますが、なーんかそれじゃ味気ないじゃん!


あとね、冒頭もちょっと触れたんですが、作中とにかくヒーローものの作品を貶すんですよ。ヒーローもので売れたヤツは俳優とは言わない!有名人って言うんだ!みたいな。
でも実際出てる俳優人は代表作がヒーローものっていう・・・。この部分でちょっとニヤリとしちゃいますよね。







神秘的なテーマをコミカルに、そして全編1カットっていう脅威の撮影で仕上げたっていうことがもうすんごい事ですホントに。こういう作品をエポックメイキングと言っていいんだと僕は思います!!














とにかく夢をもらえる作品です!!













お試しあれ!!







バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)  2014年  アメリカ



ジャンル:コメディ
  監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
  出演:マイケル・キートン
     エドワード・ノートン
     エマ・ストーン
     ナオミ・ワッツ


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ダラス・バイヤーズ・クラブ

どうも!僕です!今日はこちら!!

ダラスバイヤーズクラブ




「ダラス・バイヤーズ・クラブ」です!!


2013年のアメリカ映画で、HIV感染した男が、その病気と不条理な世の中を相手に戦う物語。



監督はジャン=マルク・ヴァレ。「ヴィクトリア女王 世紀の愛」などで知られています。



主演は「インターステラー」のマシュー・マコノヒー。以前「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも説明しましたが、この作品でレオナルド・ディカプリオを押しのけ、アカデミー主演男優賞を獲得しています。


その他出演は、ベン・アフレックの元奥さんジェニファー・ガーナー、そして「ミスターノーバディ」のジャレッド・レト。彼もまた、この作品でアカデミー助演男優賞を受賞しています。







ではあらすじ。




1985年、ダラス。女遊びとコカインが大好きなカウボーイロン(マシュー・マコノヒー)は、ある日体調不良のため倒れます。







病院での診断の結果、HIV陽性。そして余命30日であると告げられます。
「エイズとはホモの病気である」との偏見が凄いロンは、現実を受け入れられません。

30日



しかしその後自分で調べてみると、避妊をしない性行為でも感染するっぽいということがわかり、悲しみにくれるロン。







とはいえ余命30日とあまりにも時間が無いロン。



ある日彼は、AZTという良い薬があることを知ります。しかしそれはまだアメリカでは承認に至っていない薬で、当然病院もその薬の服用を断固として拒否。


そこでロンは、病院の用務員の金を渡し薬を横流しさせます。ところが警備が厳しくなり、やがてその横流しもしてもらえなくなります。
ならばとロン。単身メキシコへ渡り、ヴァス(グリフィン・ダン)という無免許の医師と接触。その医師曰く、「AZTは製薬会社が儲かるだけ」と言い放ち、ロンの体に出ている副作用の治療を行います。ddCという内服薬をビタミン剤を受け取ったロン。このアメリカ未承認の薬をどうにか持ち帰り、商売にしようと考えます。





どうにかこうにか大量の密輸ルートを確立したロンは、会費を払った会員に無償で薬を譲り渡す「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を設立。病院で知り合ったオカマのレイヨン(ジャレッド・レト)にも協力を仰ぎ、ホモ業界にも進出。会社にはたちまちHIV患者が集まってくるようになります。




完全にWIN×WINの関係が築き上げられてきた頃、FDA(アメリカ食品医薬品局)がダラス・バイヤーズ・クラブに難色を示しだします。薬を押収し、「次は逮捕だ」と脅します。

更にはレイヨン自身もAZTの副作用が原因か、ついに命を落としてしまいます。


しかしそれでも懸命に政府と戦うロンにいつしか主治医だったイヴ(ジェニファー・ガーナー)も味方するようになります。





そしていつかしか、ロンの活動は大いなる賛同を得ることとなり、無意味な薬品の規制にも多大な影響を及ぼし始めます。




素晴らしい功績を残したHIV患者ロン。彼は診断から7年のときを経て、その人生に幕を下ろしたのでした・・・。





















おわり



















★感想★
勇気をもらえる作品ですね!「生きる」ということに対する執着をとてもかっこよく描いてる作品です!
結局HIVという難病を患っている人の多くが同性愛者っていうのがまず現状ですよね。ロン自身は元々その同性愛者をすごい怪訝なというか、はっきり言って蔑んで見ていたわけです。しかし、HIVと戦う過程の中で徐々に同性愛者たちと打ち解けていって・・・と。そういった所にロンの心情の変化ってのが見て取れるし、そもそもこの作品って言うのが同性愛者たちを全体的にコミカルにというか、マスコット的に愛着が沸くように描けているわけですよ。いわゆる皆さんが想像するような「開き直った同性愛者」みたいな。
で、こういった描写がベースに置かれてるから、実は人知れず悩んでるとか、凄く明るく振舞ってるけど実はこういった部分もあるよとかっていうシーンが凄く映えるわけですよ。ギャップって言うんですかね。

結局話のテーマは凄く重たい本格社会派なお話なのに、それをキャッチーに描けてるっていのはこの作品が跳ねた一因と言えるでしょう。全体的にサクサク話が進んでいって、退屈する部分は少ない気がします。しかし大事な部分ではグーーーーっと話のスピードが落ちて、つまり比重が増して結果シリアス感が増す、という構造。


もちろんマシュー・マコノヒーの演技もいいんですが、これはジェレッド・レトがまさしく快演であり怪演!彼の明らかに裏があるオカマの演技っていうのは、なんか言葉では言い表せない妙な重みがあります。



ただまぁ、良くも悪くも「スタンダード」な作品であるとは言えると思いますね。特筆して変わった演出とかもないですし、目で見て「おお!」ってなるシーンもあまりない。かといって物足りないかといえばそうでもないし・・・。
単純にストーリーというか、ロン・ウッドルーフという男の生き様を楽しむ映画です!!










社会派映画を見てみたいけど、あんまり重苦しいのは・・・っていう人にオススメできる作品ですね!!




















お試しあれ!!





ダラス・バイヤーズ・クラブ  2013年  アメリカ



ジャンル:ドラマ
  監督:ジャン=マルク・ヴァレ
  出演:マシュー・マコノヒー
     ジャレッド・レト
     ジェニファー・ガーナー





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レヴェナント:蘇りし者

どうも!僕です!!

今日はこちら!!






「レヴェナント:蘇りし者」です!

現在公開中のアメリカ映画で、アメリカ西部開拓時代のハンターチームで狩りをしていた主人公ヒュー・グラスが仲間に裏切られ息子を殺され、過酷な環境で命からがら生き延びて宿敵に復讐をする物語です。


主人公を演じるレオナルド・ディカプリオが初のオスカー受賞を果たしたってことで日本でもそこそこ話題の作品ですね。





監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。昨年の「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に続いて2年連続の監督賞受賞です。

また、撮影監督のエマニュエル・ルベツキ。この人は「ゼロ・グラビティ」「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に続いて3年連続の撮影賞受賞という快挙を成し遂げてます。




ディカプリオ演じる主人公ヒュー・グラスの宿敵フィッツジェラルドを演じるのはトム・ハーディ。ディカプリオとは「インセプション」以来の共演となります。

その他出演は、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でハックス将軍役をしていたドーナル・グリーソンや「メイズ・ランナー」のウィル・ポールター、そして恐らく新人俳優フォレスト・グッドラックといった面々が出演しております。










あらすじ。














アメリカ西部開拓時代。白人達がインディアンの土地に乱入し、動物の毛皮を採取している時代です。






ハンターチームの斥候ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、ある日見回り中に熊に襲われ瀕死の重症に。





とりあえずは生きてるものの、「これもうそろそろ死ぬんじゃねぇ?」って雰囲気がハンターチームに漂います。
早く砦に帰りたいのに、過酷な山奥から瀕死の人間を担架で運びながらってんじゃ時間がかかってしょうがありませんからね。


ってことで隊長(ドーナル・グリーソン)が「オレたちは先に行ってるから、誰かここに残ってコイツの最後を見届けて埋葬してやれ。金はやるから。」と提案します。

ほいで残ったのが、グラスの息子ホーク(フォレスト・グッドラック)・ブリジャー(ウィル・ポールター)・そしてフィッツジェラルド(トム・ハーディ)の3人。



すぐに死ぬだろうからそれから急げば本隊に間に合うだろうと予想していたフィッツでしたが、思いのほかグラスが粘る!
気の短いフィッツは彼に止めを刺そうとします。そこにホークが駆け寄り助けるわけですが、逆上したフィッツはホークを殺してしまいます。

この瞬間をグラスは、動けないながらもしっかりと目の当たりにしているわけです。








グラス殺害は思いとどまったフィッツ。何も知らないブリジャーに、「アリカラ族(敵対するインディアン)がやってきた」と嘘をつき、急いでる感を出しつつ既に掘っていた穴にグラスをぶち込み、申し訳程度の砂をかけた後に2人でその場を離れます。












「ちくしょう!」となっているグラス。匍匐前進の要領で何とか前進し、ホークの遺体のそばへ。
焦燥もそこそこに、「とりあえず帰ろう」ということで進みだします。


徒歩による320kmツアーの幕開けです。
ちなみに320kmというと、直線距離で大阪から長野、新潟から静岡、九州はまるっと上から下までっていった距離です。








んでそっからの旅というのがまぁ過酷で、とにかく寒いし体は痛いしインディアンには遭遇するしで大変なわけです。
しかしラッキーもあって、なんとか砦に到着。

フィッツとブリジャーから死んだと聞いていた仲間たちはただただびっくり。隊長は2人が嘘をついたのだととっさに察知し、ブリジャーはボコボコにします。
しかしこの時点でフィッツは既に逃走中。ということで隊長とグラスの2人がフィッツを追いかけます。


元々小物の隊長あっさりと返り討ちに遭いますが、グラスは見事フィッツを追い詰めます。



激しい格闘の末、見事復讐を果たしたグラスなのでした・・・。
















おわり















★感想★
いやー久々に良い映画に当たったって感覚です。素晴らしい作品です!
まず僕が思ったのは撮影監督ルベツキの力!これはでかい!この人は印象的な美しい映像を撮ることが非常にうまい人なんです。ほんで、実際作中の風景も相当綺麗。
ちょっと話はそれますが、この作品の撮影は、人工の照明を使わずに自然光のみの撮影に徹してるんですね。ってことで自然はそんなに人間に都合良く働いてはくれませんから、撮影が一日一時間くらいしかできなかったりしたらしいんですよ。と、いうことはですよ。当然撮影スケジュールが押します。そうなると、スタッフの都合とかが色々狂ってきてもう大モメです。家にも帰れないし寒いしストレスMAXですよ。俳優陣のスケジュールにももちろん多大な影響がありますよね。相当スケジュールが押してますから。そんなこんなでトム・ハーディは出演予定だった「スーサイド・スクワッド」も蹴ったとかどうとか。まぁとにかくなかなかうまくいかなくてモメにモメます。
ほいで、とにかく時間が押すので最悪の事態が起こります。最初はカナダでロケをしていたんですが、あまりに時間がかかってしまったために雪が溶けてしまうんですね。こりゃまずい。雪国の話なのに・・・。で、どうしたかというと、「じゃ季節が逆の方に行けばいいんじゃね?」ってことで一団は南半球アルゼンチンへと飛ぶわけです。ということでその後のロケはアルゼンチンで行われたという。いやいやどんだけこだわりまくってんだよとツッコミを入れたくなります。予算も相当オーバーしたらしいですけどね。

えー話は戻りまして、要するにそんだけロケーションにこだわってるんだから、それとルベツキが組んでる以上もう絶景かな絶景かなって感じです。全ての景色をカレンダーにしてしまいたい位ですよ。

それともう一点「うぉぉ!!ルベツキィィイ!!」と言いたくなるのが、彼の得意技長回しです。「トゥモロー・ワールド」「ゼロ・グラビティ」「バードマン」でとにかく長回し(実際は編集してるらしいけど)を高いクオリティで実現させているのがこのルベツキで、今作品でも長いカットがちらほら。特にグラスが熊にボコボコにされるシーンは圧巻でした。長回しっていうのは独特の臨場感が生まれ、嫌なシーンを見ているとホントに嫌な気持ちになれます。ですから熊にボコられるシーンも「うわぁ・・・」となっちゃうわけですよ。
その他にもインディアンの襲撃シーンとかバイソンの群れ登場シーンとかで使われてるんですが、やはりどの場面も効果的で、全てがハイライトになってます。
ほんでね、ルベツキは広角レンズを使って役者のものすごい近くにカメラを持ってきたりするらしいんですが、それがこの作品では凄くよくわかります。ディカプリオの息がかかってレンズが曇ったりとか、戦闘シーンで返り血がレンズに付いたりとか。しかしそれでも撮影は続行。というかむしろ狙ってます。
そういった現象が肯定されていることで、その出来事が自分から遠く離れた場所ではなく、実際に、今、ここで、こういうことが起きていると思わせる、何か不思議な感覚が芽生えてくるんですねぇ。

で、見事悲願のオスカー初受賞を果たしたディカプリオちゃん。いやー、良かったですねぇ。気迫の演技ですね。撮影中鼻が折れたり低体温症になったりとなかなか大変だったらしいですよ。バイソンの生レバー食ってたし。ホントに生レバー食ってるらしいですよ。
ヒュー・グラスは草とかしか食ってないからとにかく腹ペコなんですね。だから魚を捕まえたときも、せっかく火を焚いてるんだから焼けばいいのに、生でそのままむさぼりついちゃいます。崖から突き落とされたり馬の死骸の中で眠らされたり、とにかく終始デカプリオは虐められ続けてます。前述の通り超過酷な撮影だったわけで、そんな中での気迫の演技ですから、いくらセリフが少ないと言ってもさすがに納得の受賞。アカデミー会員もさすがにOKだったってことでしょうね。


CGとかも極力少なめに抑えたみたいで、動物系以外はほぼCG無しっぽいですよ。ヘリコプターから爆薬落として本当の雪崩を発生させたりとかもしたらしいし。とにかくこの「いちいちちゃんとやってる」っていうのはやっぱりグッと来ますよねぇ。





少し重箱の隅を突くようなことを言うと、まずヘンリー隊長の小物感っていうのが少し浮いてた気がします。グラスが生きてたことを知ってブチ切れて正義漢ぶった隊長でしたが、「いやいやお前最初グラスの頭を銃でブチ抜こうとしてたじゃんか!」とは言いたくなります。
そんなコウモリヤローとグラスが二手に分かれてフィッツジェラルドを探しにいくなんて・・・そりゃ絶対「コイツ死ぬじゃん」と誰もが思っちゃうでしょ。案の定殺されるどころか、頭の皮もキレイに引っぺがされてましたしね。




それとね、作品全体的に、「復讐劇」って言うよりは「サバイバル劇」にしか見えなくなってくる雰囲気があります。いや、これはしょうがないんですけどね。あまりにも状況が過酷なんで。
ただそのグラスの心情描写というか、「フィッツぶっ殺す!!!」的表現があまりにも少なすぎて。なんか申し訳程度にフィッツジェラルドの名前を地面とかに書いたりするくらいで・・・。本当の本当に死に掛けるんだけど、でもフィッツジェラルドへの強い強い強い復讐心でなんとか生き延びるとか、なんかそういった描写がもう少しあると「復讐」っていう感じが凄く出てたと思うんですけどね。構造的には、グラスがサバイバルの旅をしている時間と、見ている側がフィッツジェラルドがどんなに嫌なヤツなのかを認識する時間が同時進行で進んでいくので、それによってグラスを応援したくなる。っていう構造なんでしょうかね。まぁそんなのなくてもあんな過酷な状況にいる人を見つけたら誰もが応援したくなるでしょうけどね。



この「復讐」感が少ないっていう部分で、この作品がうまくハマらない人っていうのは少しいる可能性はあると思います。
まぁただこの作品はあくまでグラスのサバイバル劇と、大自然の絶景が映った画面の美しさを楽しむ作品と思うので、そういうのを強く求める人にはまぁ合わないですよ。そもそも実際のグラスはフィッツジェラルド(本当はフィッツパトリックっていう名前らしい)に復讐を果たしてないらしいですから。









まぁそんなこんなで、とにかく久々に「超大当たり」を見た気分になれた僕でした。誰が何と言おうと僕はこの映画が大好きです!!














お試しあれ!!






レヴェナント:蘇りし者

2015年  アメリカ

ジャンル:ドラマ
 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
 出演:レオナルド・ディカプリオ
    トム・ハーディ
    ドーナル・グリーソン
    ウィル・ポールター
    フォレスト・グッドラック





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