どうも!僕です!!

今日はこちら!!


冷たい熱帯魚


「冷たい熱帯魚」です!2010年の日本映画。「愛のむきだし」「TOKYO TRIBE」の園子温が監督し、実際の凶悪殺人事件を元にした作品です。




主演は吹越満。「あまちゃん」とかに出てた人です。凶悪殺人事件の首謀者を演じるのは、でんでん。脇役としての役柄が多い彼ですが、今作は彼が主人公と言ってもいいくらいです。
その他出演は「渇き。」「闇金ウシジマくん」の黒澤あすかや、後に園子温監督の奥さんとなる元グラビアの神楽坂恵などなど。








ちなみに今作のテーマとなっているのは、通称「埼玉愛犬家連続殺人事件」。非常に極悪な事件で、日本犯罪史上かなりトップクラスに入る衝撃的事件なのですが、事件直後に阪神大震災とオウム関連による事件が連発した為、内容のわりに認知度の低い事件なのです。













ほいじゃ中身。
















小さな熱帯魚専門店を営んでいる社本(吹越満)は、ある日同じ県で大きな熱帯魚店を経営する村田(でんでん)と知り合います。



村田




社本とその家族は村田ペースの話に流され、娘美津子(梶原ひかり)は村田の店で働くことになり、社本は村田の「ビジネスパートナー」となります。







ある日、とある商談中に村田が吉田(諏訪太朗)という男を毒殺。何も知らされてなかった社本はビビりますが、ここにきて村田の態度が豹変。社本は遺体の処理を手伝わされます。











社本・村田・村田の嫁愛子(黒澤あすか)の3人は、とある山奥にある不気味な小屋へ。


村田と愛子は、慣れた手つきで遺体の処理を始めます。
しかしその内容は常軌を完全に逸したもの。彼らは吉田の遺体をバラバラどころではなく、細切れ状態にします。骨と肉を完全に分け、骨は醤油をかけながら灰になるまで燃やし、肉は近くの川に放流し魚に食べさせるという残虐極まりないもの。


村田曰く、「殺人は遺体が無ければバレない。だから遺体を透明にしちゃうんだ。」ということ。
この遺体を完全に処分することを「透明にする」と言っているわけです。


この作業をあまりに淡々とこなす2人は完全に麻痺状態と察した社本。話を聞くに、被害者はもう何10人にもなっていると言います。




とはいえ警察に通報してしまうと今度は嫁と娘の命が危ない・・・。



社本はなんとも言えないジレンマにかられます。













続くある日、今度は愛子が美人局の役割をして村田の顧問弁護士筒井(渡辺哲)とその側近大久保(ペ・ジョンミョン)を殺害。やはり社本は遺体の処理を手伝わされます。






同じような手際で筒井と大久保を透明にした3名。帰りの道中で2人の肉を川に捨てたとき、村田は社本を激しく叱責します。
村田は社本のにっちもさっちもいかない性格の事をくそみそに言い放ち、家庭がうまくいってないのは全部社本のせいだと言います。さらに社本の嫁妙子(神楽坂恵)と肉体関係を結んだことも暴露。
我を失い暴れた社本でしたが、村田の鉄拳を食らい意気消沈。その落ち込んだところをうまく突いた村田。社本が自分と共犯の人間だと認識させます。




そしてこっからがヤクザの手口。自分の嫁愛子と社本に肉体関係を結ばせます。親分の女を抱けば、忠誠心というか仲間意識が芽生えるという話を聞いたことがありますが、まさにそれです。



抱く



嫌がる社本をよそに、強引に行為を進める村田夫妻。





しかしここで社本が反撃。隙をついて、鉛筆で愛子の首を一突き。さらに怯んだ村田に攻勢をかけ、村田を殺害します。





一命を取り留めた愛子を連れて再び山小屋へ。社本は愛子に、村田を透明にしておくことを指示します。






社本はいったん家へ帰り、ちょっと履き違えた感じで一家の主として力強い男を家族の前で演じます。





美津子にDVを振るった後、妙子と無理やり1発ヤった社本。


再び山小屋へ戻った彼は、文字通り血まみれの風呂場で愛子を殺害。


血まみれ



その後、社本の通報によって警察と妙子・美津子が到着。刑事の目を盗んで社本は妙子を殺害後自害。





それを見て高笑いをする美津子なのでした・・・。













終わり









★感想★
面白いって言っちゃいけないんでしょうけど、面白かったです。なんと残虐たることか。これが事実なんてびっくりですよね。実際はペットショプを経営していた夫婦の話で、それを熱帯魚屋に変えてるんですが、実は事実の方がもっと残虐だったらしいんで、決してこの作品が映画用にデフォルメされたものではないってことが重要ですね。こんな凄惨な事件が実際にあったんだってことは絶対に風化させてはいけないことですからね。
とりあえずね、出演している俳優女優さんたちの演技がお見事。中でもやっぱりでんでんがいいですね。最初がすんごい良いおっさんだっただけに、一気に変貌した瞬間は「はぁぁあっ!」ってなりますよ。
超凶悪な殺人鬼なんですが、これがベタなホラー映画みたいなサイコキラーじゃなくて、どこにでもいそうな普通のおっさんってのがミソですよね。妙に身近に感じるキャラ設定だし、やってることの重大さに反して彼がおどけたりする事が一層恐怖感を煽るというか。とにかく村田夫妻が、やってることに対して罪悪感がまるでねぇっていうのが恐怖。歌を口ずさんだりなんかして。まぁそこも事実に基づいてることなんですけどね。
そしてキーワードみたいに出てくる「透明にする」というワード。これも犯人が実際に言ってたことらしいです。決して映画用に作られたものじゃないっていうんだから、とにかく怖いっす。
ほんでね、BGMが結構効果的。特に吉田が死ぬシーンなんか、いよいよ死ぬぞっていうところから「ドンドンドンドン・・・・・」って太鼓みたいな音楽がなってきて、カメラワークも徐々に荒くなっていって・・・っていうね。絶対村田はヤバいヤツっていうことを見てる側はみんな知っていて、そしてその決定的な瞬間がようやく訪れるっていうこのハラハラ感。そしてそれを助長する演出。お見事。
あと僕が好きだったのは、社本・愛子・筒井の3人が車で会話をするシーン。筒井が「村田をやっちまわねぇか?」みたいなことを言うわけですが、なんせ隣には愛子がいるもんだから、要するにどっちが正解かわからない。ほんでその後愛子は筒井とイチャイチャしだすわけだから、「あー実は愛子と筒井が繋がってるのかな」とか思わせといて結局は村田夫婦で筒井を殺っちゃうと。あそこの駆け引きというか、何が正解なんだっていう見せ方は面白かったですね。変に安いサスペンスっぽくなってなかったです。

ちょっと残念な部分。まずは各登場人物にフィーチャーした描写が少なすぎて、疑問が多く残ってしまうっていう点ですね。例えば、村田は幼少期に父親と何かあったっぽいんですが、その「どうやら何かあったんだな」っていうことしかわからず、具体的心情描写にまで昇華できてないっていうのがね・・・。単にお金とかの為に人を殺しちゃうパンクなヤツに留めていればここはどうでもよかったんですが、ちょっと匂わせたが為にここは不完全燃焼でしたね。あと社本が妙子と結婚するきっかけとか、前妻との妙者とか、社本の心情に関する裏づけがもうちょっと欲しかったなっていう気がします。
あとね、吉田を殺して透明にした帰り道。何故か社本と村田の2人っきりになっていて、「ん?愛子どこ行ったの?」ってなっちゃいました。これに対する回答は、作中では出てこないのでちょっと疑問です。別に先に帰ったとか小屋で寝てるとかでいいんですが、必要が無いなら愛子もちゃんと車に乗せててよって思いました。ちょっと不自然すぎたので気になりましたね。
最後に社本が妙子殺すのもよくわかりませんでした。社本が自殺するのはまぁわかんないでもないけど・・・。





とはいえ全体的な完成度は高いですよ。園子温独特の筆で描いた文字の描写とかはやっぱ「おおっ!」ってなるし、一応それなりにはエグい。後半のデジタル時計が進んでいく演出とかはドキドキするし、僕が特に好きだったのは、筒井と大久保の肉を川に流しているときのこの絵。


影



社本と村田。2人の影が徐々に赤く染まっていくっていう、なんとも言えない哀愁というか焦燥感というか。なんかしんみりしましたねここは。




雰囲気的に「凶悪」に似てる作品と思います。ただ「凶悪」は純粋に、ストレートに悪を垂れ流すのに対し、今回の「冷たい熱帯魚」は少しカオスというか「おかしい」っていう印象。常軌を逸してる度は、こちらの方が高いです。





「凶悪」のリリー・フランキーと今回のでんでん。両作品を支える名助演の2人のバトルも見てみたいなと思った僕でした!!

























人生ってのはなぁ!痛いんだよぉ!!     社本














おためしあれ!!
















冷たい熱帯魚  2010年  日本




ジャンル:ドラマ
  監督:園子温
  出演:吹越満
      でんでん
      神楽坂恵
      黒沢あすか
      梶原ひかり
      渡辺哲
      諏訪太朗
    
      
      
映画評論・レビュー ブログランキングへ